Ethan Hoffman『Concrete Mama: Prison Profiles from Walla Walla』, University of Missouri Press, (1986)
本書はソフトカバー。ハードカバー版は1982年に出ている。
ワラワラ刑務所として知られているWashington State Penitentiaryは、1886年創立で収容人数は2000名を超える。短期で出る者から、50年~終身刑、死刑までを含み、歴代のシリアルキラーも多数収監されている。裏表紙には全米屈指の札付き(死語)が集まるワラワラ刑務所、衝撃のドキュメンタリーみたいなことが書いてある。
囚人の収監時の様子、所内での生活などを追いつつ、刑務所の日常を描写していく。70年代のアメリカの刑務所というと、鉄格子にガチャガチャいう鍵束、ピザばっかり食ってる太った白人看守みたいなイメージなんだけど、まさにそれ。今は囚人の人権に配慮して云々みたいなところがあるけど、当時はがちで怖いところだったんじゃないか。テキストも充実していてフィクションを書く際の参考資料にもなりそう。
最後の方に家族との面会のシーンが出てくる。あちこちで抱擁している様子が壮観なのだが、面会後のチェックが厳しくて、みんな素っ裸にされて股間までのぞき込まれているなど大変なことになっている。
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