2017年4月24日月曜日

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『東京花嫁』島内浩一郎

島内浩一郎『東京花嫁』,アシェット婦人画報社,2005

 ブライダルフォトグラファー島内浩一郎さんが、結婚式の定番のカットの間に写された様々な表情を捉えた写真。アウトテイク集というより積極的にそういうカットも撮るようにしているようだ。とにかく、花嫁衣装の非日常性を単なるキッチュな面白さで消費することなく、その姿でそこに佇んでいる必然性であるとか、ちょっとした仕草から見える周囲の家族との関係とかを丁寧に写しこんでいる。

 テキストを読むと、元は広告写真がメインだったのが自分の作品作りのためにたまたま花嫁さんを写すようになったのがきっかけで、ブライダルの撮影が増えたようなことが書いてある。たしかにこういう写真の見ると自分も撮ってもらいたくなるだろうな。

 結婚式や七五三などのセレモニーの写真撮影は本人にとっては一生に一度の出来事であるが、決まりきった進行とド定番の衣装ということから、うまく撮れば撮るほど同じような写真になってしまう。皆が思い浮かべる花嫁像というのがあってそれに向けて衣装もシナリオも作り込んでいるわけだから、それをあえて崩して作品として仕上げるのは相当なスキルが必要。

 例えば、参列者が破顔一笑している集合写真も、全員がかしこまって写っている本番カットがあってこそで、それがないと単なる失敗写真にしかならないでしょう。結婚式のスナップなんて誰にでも撮れるなんて思ったら大間違いですよ。

作者のサイト http://www.shimauchi-photo.com/



























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2017年3月5日日曜日

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『漂景』山下寅彦


山下寅彦『漂景』,ほんの森出版社,1997

 日本各地の下町風景、というよりくたびれた街並みがカラーで収められている。写っている場所もさることながら、光の具合が実にいい。丁寧に時間をかけて撮られているのが伝わってくる。『レンズ汎神論』の飯田鉄さんあたりの写真が好きな人におすすめしたい。この時期に書籍の仕事で全国を回っていたようなので、出張で訪れたついでに自分の作品も作っておられたのではないか。

 神保町の某古書店の店先の、日当たりのいいラックにつっこんであって、表紙には「500円」と書かれた黄色い値札が貼り付けてあった。いくら見切り品とはいえこんなラベルの貼り方はないだろうと憤りつつ大事に持って帰った。

 とにかく知らない名前だったので、ネットでざっと検索すると近年は猫関係の写真集やカレンダーの仕事が好評のようだった。ただこういう本を出してるくらいだから、仕事に余裕ができたらシリアスな写真に戻ってくるのか、ひそかに撮りためているのか…と思っていたのだが。


























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